今の宇宙は華やか
宇宙は138億年前にビッグバンが起き、高温高密度な火の玉のような状態から138億年かけて宇宙が拡がりそれに伴い密度が減り、現在の低密度低温の宇宙になりました。
さて、宇宙が誕生し、拡がっていく中で物質が均等に拡散されずにわずかに偏りがありました。
物質にはどんなに小さな物でも引力が働きます。その力があまりに微弱すぎて私達には感知することはできませんが、スプーンやスマホなどにも引力が働いています。つまり物質に偏りがあればその小さな偏りから引力により互いに物質が引き寄せられ集まります。
それが現在の地球や太陽などその他多数の星を形成し、視野をもっと広げて考えると太陽系や銀河、銀河団などを形成する要因の一つと言えます。
太陽など自身が燃料となって核反応により光や熱を発する天体を恒星と呼びますが、永遠に燃え続けるわけではないようです。
太陽は水素原子などを燃料に核融合反応を起こし、熱や光のエネルギーを放出しています。水素原子が無限に太陽にあるわけではありませんので、それはやがて尽きてしまいます。
太陽の場合、誕生から約45億年経っており、あと50億年もすれば太陽の最後が訪れると考えられています。
その時が来た太陽は今の地球軌道ほどにまで太陽が膨張します。(赤色巨星)やがて膨張した外側の部分はガスとして宇宙へ放出され、残るのは超高密度の中心核のみ(白色矮星)となり時間をかけて冷えて行き、やがて光も発することのない天体となってしまいます。
これは太陽の生涯に限った話ではなく、太陽の1.4倍までの質量を持つ恒星はみな同じ末路を迎えると言われています。
太陽の1.4倍以上の恒星は超新星爆発を起こしやがて中心核に残った核は中性子星になったりブラックホールになると考えられております。どちらにせよ恒星はみな最後は必ず光を発しない暗い天体になってしまうことがわかります。
赤色巨星や超新星爆発によって恒星であった期間に核融合で生成されたより重い元素が宇宙空間に放出されます。
それらが互いに引き合い集まり一定以上の密度、圧力に晒されることで核融合反応が始まり恒星となります。
宇宙はそのサイクルを繰り返しており、太陽が今燃料としている原子も何世代か前の恒星が最期を迎えた際に放出したガスを材料にしていると想像することができます。
この循環が永遠に続けば良いのですが、何百億年という単位で考えた場合いずれは核反応の燃料となる原子が尽き、新たな恒星の誕生が望めなくなってしまいます。
恒星の残された核は上記のように暗い天体となってしまいます。つまり、いずれ宇宙は光りを発する恒星の存在しない、どこまで行っても暗い天体しかない空間になってしまうのです。
宇宙がその状態になるまでは何百億年かそれ以上かかるのかもしれません。人間が文明を持って5、6千年。人の生涯はせいぜい100年程度の私達人間にとっては考えなくても良い話と言われればそこまでです。
しかし、夜空を見上げて明るく輝く星を無数に見た時、こんなにたくさんの星が輝く華やかな時代は宇宙にとって一部の期間にすぎないのだなと考えると、この世に永遠は存在しないという事実を突きつけられたようで、無常や儚さといった何とも言えない気持ちになりました。
みなさんはどう思いますか?