株主総会レポート(日産自動車株式会社)

株主総会とは

株主総会とは年に一度、上場企業が株主を集めて議決を行ったり、業績を発表する場のことです。

時期は決まっている訳ではありませんが5月〜6月の平日午前に行われるケースが多く、権利確定日にその企業の株を保有していれば出席の案内が郵送されます。

株主総会に行って来ました

2018年6月26日に横浜市みなとみらいにあるパシフィコ横浜にて日産自動車の株主総会に行ってきました。

株主総会の内容としては、会社の業績発表、今後の経営方針、質疑応答があり、後半は社外・社内取締役の選任、余剰金の処理(配当)の決議が行われました。

司会進行はカルロス・ゴーン会長が英語で行い、私たち出席者(株主)は座席にあるイヤホンで同時通訳を聞くという形で進行されました。

私は今回初めて株主総会に出席したのですが、一番印象に残ったのは質疑応答の回答を通して感じたカルロス・ゴーン社長の考え方でした。

株主からの質疑応答は日産株式会社社長の西川社長とゴーン会長の二人が登壇に立って全て回答しておりました。

その中で昨年発覚した自動車検査無資格者による不正検査問題の対応についてゴーン会長から謝罪会見等何もなかったことに対して株主から意見がありました。

そこでのゴーン会長の回答が、「私は日産の社長時代、日産で発生したあらゆる事に対して逃げずに真正面から取り組んできました。日産のトップである社長を差し置いて他の者が出てくることは絶対に許しませんでした。今の日産の社長は西川です。社長である西川が記者会見を開き事にあたっているのに会長の私が出てくる事は彼の立場を損ねることであることから、会長の私が謝罪会見を開くことはしませんでした。」

ということを話していました。

また、多額の役員報酬についても言及がありました。

ゴーン会長「役員報酬についてですが、ルノーと日産自動車及び三菱自動車の協業により世界一位の生産台数を誇ります。売り上げ、規模共に世界有数の企業である当社にとって役員報酬は決して高くなく妥当なものだと考えています。西川社長はこのほど一部役員報酬を辞退して3億円の報酬に留まっていますが、私はもっと報酬があってしかるべきだと考えています。」

上記のコメントは10億円近い役員報酬を受け取っているゴーン会長のポジショントークである部分は当然あります。しかし、ルノー傘下の日産自動車が世界有数の巨大企業であるのは確かです。その屋台骨を支えるのは紛れもなく日産自動車です。その社長ですから、重責や成果に見合った額の報酬は当然あるべきであり、その金額面で日本は低く見積もる向きがあるのかなと感じました。

最初の質問の自動車不正検査問題の対応に関しての社長、会長の職務の見解についてもゴーン会長の意見は日本と世界の意識・感覚の違いを私は感じました。

私はそれを聞いていて優秀な人材を国外に持って行かれないためにも日本企業も報酬や待遇について世界標準に合わせていくことが求められるのかなと感じました。トヨタ自動車の豊田社長よりも同社の外国人の役員のほうが報酬が高いとどこかで見た記憶があります。これは優秀な外国人はそれくらい報酬を出さないと留めておけないということなのではないでしょうか。

日本の年功序列は私のような平凡なサラリーマンには恩恵を受けられるシステムですが、果たしてそのままで良いのか考えさせられました。

最後に余談ですが、ゴーン会長の話すしぐさや表情、抑揚をつけた話し方などに惹きつけられました。聴衆を惹きつける話術にゴーン会長のリーダーシップやカリスマ性を垣間見た気がします。

世界的な大物の話を目の前で聞くことができる機会は私にとってなかなかありませんので、それだけでも良い経験になりましたし、有意義であったと思います。個別株を所有の方は一度、株主総会に出席してみてはいかがでしょうか。


返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。