必要な物
革靴を光らせるためにまずは必要な道具を揃えましょう。
写真右端から馬毛ブラシ、豚毛ブラシ、ステインリムーバー(写真中央上、水色のボトル)、シュークリーム黒(写真中央下、サフィール)、ペネレイトブラシ(写真中央上)、ハンドラップ(写真左上)、ポリッシュ黒(写真中央左下、サフィール)、ネル生地(写真左端)となります。
上記の道具全てを揃えるのはお金もかかってしまうと思いますので、最低限必要な道具は赤字で示しました。
その他の黒字の道具は無くても他の身近な物で代用できるか、あれば便利だけど無くても特に問題ない物になります。
では道具が揃った所で革靴を光らせるための作業に入りたいと思います。
尚、この記事で紹介する内容は革靴を光らせるためだけではなく、革靴を永く履くためのメンテナンスも兼ねた内容になっておりますので、参考にして下さい。
この内容のメンテナンスの頻度としてはだいたい6ヶ月に一度くらいと考えてもらえればと思います。(履く頻度にもよります)
革靴を光らせる手順
ステップ① ホコリを落とす
まずは革靴全体のホコリを馬毛ブラシで払い落としましょう。
ポイント 紐履の場合は紐を外して、ベロ(紐の下の上下に動かせる部分の革のこと)の中などホコリが溜まりやすい場所も忘れずに払い落としましょう。
一人で撮影のため片手でブラッシングしている絵になっていますが、片手で靴を持ってしっかりと力をこめてブラッシングしましょう。
ステップ② ステインリムーバーで古いクリームを落とす
雑巾などにステインリムーバーを数滴とり、革靴へ優しく擦り落としましょう。
ポイント 優しく擦って古いクリームやトゥのポリッシュを落として革靴をスッピンの状態にします。
※あまり強く擦ると色落ちの原因にもなるので注意しましょう。また、ポリッシュしたトゥの部分については落ちにくいので、豚毛ブラシでトゥを軽く叩いてポリッシュの蝋の部分にヒビを入れると落としやすくなります。
ステップ③ 革靴にクリームを入れる
古いクリームなどを落として革靴をスッピンの状態にしたら、新しいクリームを入れて革の保湿・栄養補給をしてあげましょう。
写真中央のペネレイトブラシに黒のクリームを取って革靴にクリームを塗りましょう。
ペネレイトブラシを持ってない人は自身の手やスポンジで塗っても仕上がりに変わりはないので無理に買い揃える必要はありません。
革靴に十分な量のクリームを塗ったら豚毛ブラシで塗り広げましょう。
豚毛ブラシは馬毛ブラシよりも毛が硬いためクリームを満遍なく革に馴染ませることができるので、こちらは買っておいたほうが良いでしょう。
豚毛ブラシで十分に塗り広げたらネル生地で磨きましょう。
もしネル生地がない場合はストッキングや着古したTシャツなどでも代用が可能です。
上記で代用は可能ですが私の経験上、革靴を光らせるのは磨きに使用する生地がかなり重要な要素となっていますので、個人的にはアマゾンなどで安いネル生地を購入することをオススメします。
参考までにオススメのネル生地のアマゾンのリンクを貼っておきます。
磨きが終わると革がしっとりと潤いを持ち、輝きを持つのが写真でも分かると思います。
ポイント 革靴にクリームを入れることで革にヒビや割れを防止する重要な役目を果たします。
また、革靴と同色のクリームを塗ることで、履いてついてしまった小傷などを消すことができます。
ステップ④ トゥの鏡面磨き(ポリッシュ)
そして本題のハイシャイン(鏡面磨き)の作業です。
まずは、革靴の先端(トゥ)の部分にポリッシュをたっぷりと塗りましょう。
ポイント ポリッシュを塗る際はとにかく厚く塗ってポリッシュに入っている蝋で塗り固めて革を蝋でコーティングするイメージで塗りましょう。
また、両足を交互に作業を繰り返すことで蝋を固める時間ができハイシャインを成功しやすくなります。
一番大事なのはポリッシュに配合されている蝋で革の銀面(表面)のデコボコを真っ平らにして蝋で固めて光らせる、というメカニズムを理解することです。
それを理解して蝋でトゥをコーティングする意識を持って作業を行うようになってから私はハイシャイン磨き(鏡面磨き)ができるようになりました。
ちなみに今回の革靴のようなストレートチップという最もスタンダードな革靴を磨く際は縫い目のある部分から先端までをポリッシュで磨きます。
全体にやらない理由としては写真からも分かるとおり、革靴は歩いたり屈んだりする際にシワが入ります。
このシワの部分にもポリッシュをしてしまうとポリッシュの蝋成分が革に密着し、十分な空気が入らずシワの部分からひび割れを起こしてしまったり、単純にポリッシュ自体にヒビが入って輝かなくなてしまうからです。
ポリッシュの作業は水分を含ませてポリッシュを溶かして塗り広げます。
ポイント ポリッシュを塗り広げるネル生地には水分を含ませましょう。また、塗り広げる際は円を描くように力を入れすぎずに滑らせながら塗り広げましょう。
尚、写真のようなハンドラップがなくてもティッシュやスポンジを湿らせるなどしてトゥに水分を一滴ないしは二滴ほど垂らして磨けば問題ありません。
ハンドラップはよく革靴の手入れをする方はあれば便利な道具になるので、興味のある方はリンクを参照して下さい。
上記のポリッシュをネル生地にとり濡らして塗り広げるを何度も何度も繰り返します。
厚塗りしすぎでは?と思うくらい何度も繰り返すと、その内に蝋が十分にコーティングされ輝き始めます。
そうなったらほぼハイシャインは成功したようなもので、水を含ませるのを止めてネル生地で乾拭きを磨くように行えば、鏡のような鏡面磨きが完成します。
履いてるとどこかにぶつけたりして鏡面が一部曇ってしまうことがありますが、その場合は軽く馬毛ブラシでホコリを落としたらステップ④からいきなり始めて上塗りすることですぐに鏡面を取り戻すことができます。
ステップ①からやるのは最初にも書いたように3〜6ヶ月に一度または、大雨で革靴を濡らしてしまった時くらいで十分でしょう。
逆にクリームを入れすぎると革が柔らかくなりすぎたり、酷いと水分や栄養が多すぎてカビさせてしまう原因にもなるので過剰な手入れには注意しましょう。
まとめ
以上がハイシャイン(鏡面磨き)のコツ及び、革靴の定期メンテナンスの紹介になります。
この手入れを6ヶ月に一度くらいのペースで行えば革靴を永く良い状態で楽しむことができると思います。
また、ハイシャイン(鏡面磨き)された綺麗な革靴を履いていると自分自身気持ちが良いですし、仕事で営業をされている人は取引先にきっちりとした人だと好印象を持たれるでしょう。
これから就職活動される方、仕事で履く方、冠婚葬祭などプライベートで履く方など多くの方の参考になれば幸いです。
最後に私が普段使っている道具のリンクをつけておきますので、どの道具を使えば分からないという方は参考にして下さい。
馬毛ブラシ
豚毛ブラシ
ステインリムーバー
ペネレイトブラシ
シュークリーム黒
ポリッシュ黒
ネル生地