シェルコードバンとは
アメリカのシカゴにあるホーウィン社が鞣しているコードバンにシェルコードバンというのがあります。
このコードバンの特徴は最初の購入時は鈍く光る印象ですが、使い込むうちにオイルコードバン特有の艶やかな光を放ちます。
そもそもコードバンとは馬のお尻の一部の部分からしか採れない貴重な革で、革の表面である銀面を削ってコードバン層を露出して鞣したものを言います。
このコードバンを鞣すことのできるタンナー(革を鞣す会社)は世界でも数えるほどで、代表的なタンナーはアメリカのホーウィン社と日本の新喜皮革の2社と言われています。
先に上述したホーウィン社がオイル仕上げで鞣したコードバンに対して、日本の新喜皮革で鞣されるコードバンは水染めの仕上げになります。
どちらのコードバンも特徴として、牛革などの革では出せない光り輝く艶を出すことができ、その綺麗さや高級感から大変人気のある革になります。
その中でもブランド化されたコードバンがシェルコードバンになります。
水染めのコードバンは最初から綺麗なツヤを出すことができ、非常に綺麗な光を放つのですが、オイルドコードバンのシェルコードバンは経年変化と手入れにより、より深みのある特有の艶を放ちます。
シェルコードバンの経年変化
では、私が昨年の3月に購入したGANZO(ガンゾ)のシェルコードバン財布の経年変化をご覧ください。
下の画像が昨年3月に購入した際のものです。
まだ、艶がなくオイルがたくさん含まれている様子が分かると思います。
そして一年半ほど使用した後が下の画像です。
違いは一目瞭然で不要なオイルが落ち馴染んだシェルコードバンは深みのある艶があります。
これはどのコードバンにも言える事なのですが、コードバンの革質は非常にキメが細かく圴一なのが画像からも分かると思います。
上の画像のようにシェルコードバンは使い込んで、コードバン専用のクリームを時々入れてあげることで艶やかな輝きを出すことができます。
まさに経年変化を楽しみながら革を育てていく、それが最も顕著に綺麗な輝きで表れる革がシェルコードバンだと私は思います。
水染めのコードバンは最初から綺麗な輝きを放ちますが、私個人の印象としては革の表面的な輝きに感じます。
対してシェルコードバンは深みのある革そのものから発する輝きや艶を楽しむことができます。
この違いを楽しめる方は是非ホーウィン社のシェルコードバンをオススメします。
もちろん、日本の新喜皮革が鞣す水染めのコードバンも非常に綺麗な艶と輝きが購入当初から何年もずっと変わらず楽しむことができ、私自身も名刺入れを持っています。
コードバンは水に弱いという弱点があり、やや扱いが難しい面もありますが革好きの方は上記コードバンの違いや特徴を知った上でお好みのタンナーのコードバンを購入されてはいかがでしょうか。
水染めのコードバンについては次の記事で(コードバンについてまとめてます)