アウトソールの種類とその機能【Vibram-ビブラム】

ソールの種類

革靴が好きな人ならアウトソールにもこだわる人が多いはず。

素材はラバーだったり、革だったりコルクだったりとそれぞれの素材の長所を活かして使い分けがされています。

革靴に凝りだしてからというもの人目につく事がほぼ皆無であるアウトソールでも、歴史や機能性の工夫があり意外にあなどれない部分だなと感じている今日この頃です。

という事で、たくさんあるので全ては紹介しきれませんが私が普段使っている代表的なアウトソールを、画像と共に紹介したいと思います。




(画像のソールはビブラム社のMINI VIB 430 + ヒールはQUABAUG)

まずはこちら。

黄色いロゴマークが特徴的なVIBRAM社(ビブラム)のアウトソールです。

同社の創業者であるイタリア人のヴィターレ・ブラマーニ氏は雪道に十分なグリップ力を発揮するアウトソールが当時なかったために、雪山の登山中に仲間を失ってしまいました。

その悲劇から同氏は雪でもしっかりとグリップするアウトソールを生産する会社を立ち上げます。

そのような会社設立の経緯があるため、同社のソールはラバーソールの中でも特にシビアなコンディションでの使用を想定した作りになっているので、雨や山岳など足元の悪い場所でも滑りにくく耐久性に優れています。

また、種類によっては耐火性や耐油性を備えているものがあり、例えば♯100のソールが有名です。

ホワイツのスモークジャンパーというブーツは実際にアメリカの山火事専門の消防士が履いていることで有名です。

そのホワイツのスモークジャンパーのアウトソールが耐火性を示す赤い印の入ったビブラム社♯100のソールです。

上記の消防士から登山家などプロも認めるビブラム社のソールは見た目だけでなく機能性も保証する、まさにヘビーデューティーなワークブーツにぴったりと言えるアウトソールです。

革靴好きの私たちにはブーツのソールばかりに目が行きがちですが、同社はタウンユース向けのスニーカーやサンダルなどに使用するアウトソールなども出しています。

同様にVIBRAM社とよく似たラバーソールは他社からも販売されています。

こちらのレッドウィング社のベックマンに純正でついているアウトソールもブロックのパターンなどに似通った点が見受けられます。

このしっかりと溝が入ったブロックがあることで、しっかりと路面をグリップして雨や多少の雪でも安心して歩くことができるのでしょう。

対して同じラバーソールでも下の写真のソールは想定された用途の違いから機能性にも違いが見られます。

こちらはドレスシューズ向けに作られたラバーソールなので、最初に紹介したソールに比べ溝がほとんどないのがわかると思います。

溝がない分ラバーが薄いため路面の感触は足元に伝わりやすく、また軽いため歩きやすいのですが、雨や雪の道ではやや滑りやすいと言えます。

これは街中の特にオフィス街を歩くことを想定したソールであるため、悪路のグリップ力よりも履き心地といった点にも配慮したためと考えられます。

尚、ビブラム社からもドレスシューズ向けのラバーソールが販売されております。

同じドレスシューズ向けのラバーソールでもビブラム社には浅い溝が入っている分、ちょっぴり滑りにくいかもしれません。




上の画像はトラクショントレッドソールと呼ばれるソールで、レッドウィングと言えばこのソール、というくらい定番のアウトソールです。

このソールの特徴は軽量でグリップ力があり、ヒールの段差がないフラットなアウトソールという点です。

このソールは当時、ヒールがなくフラットなためつまずく心配がないので高所作業をするワーカーに人気を博したそうです。

アメリカでは電線の保守をする労働者のことをラインマンと呼び、上記の理由から多くの人々が履いた経緯があるため現在もラインマンと名のついたモデルがレッドウィングのラインナップにあります。

レッドウィング社を象徴するソールでもあるため、他のワークブーツメーカーからも酷似したソールが散見されます。

そして当ブログでも何度か記事にしているレザーソールです。

レザーソールの仕上げの違い

レザーソールのお手入れ

レザーソールの特徴は返りの良さによる足に張り付くような歩き心地の良さです。

また、人目に付きにくいアウトソールとは言え、やはりレザーソールは靴そのものの気品を演出する重要なアイテムと言えるのではないでしょうか。

反面、滑りやすく、雨などの水が滲みやすく、カビる可能性もあり、ラバーソールに比べ手入れの手間や耐久性も劣る所があります。

ラバーソールと比べてしまうと欠点が多いレザーソールですが、特有の歩き心地やドレッシーさを演出する点において非常に魅力があるためファンが多いソールでもあります。

また、ドレスシューズだけでなくウルヴァリン社の1000マイルブーツなどのセミドレスブーツにもレザーソールが標準で装着されている場合があります。

ブーツのレザーソールの場合は、ダブルソール仕様でコバの部分の厚みを持たせている場合が多くレザーソール特有の歩き心地を堪能するというよりは、レザーソールの雰囲気を楽しむという点に重点が置かれていると私は解釈しています。

私がこの記事で紹介したアウトソールは世の中のごくごく一部のソールですが、たったそれだけでもそれぞれのソールが持つ特徴(メリット・デメリット)がお分かり頂けたかと思います。

私は革靴に凝るまではアウトソールに注目することなど一度もありませんでした。

しっかりとした革靴やブーツの多くはアウトーソールを何度か貼り直すことができます。

このブーツ(革靴)に次はどの種類のソールを組み合わせようか、と考えるのも靴好きの楽しみの一つだと思います。

自分の好みのソールと組み合わせた、こだわりのブーツ。って自己満かもしれませんが良いですよね。

今日はそんな地味だけど奥の深いアウトソールにフォーカスしてみた記事でした。



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