ヌメ革とは
ヌメ革は牛皮を植物性由来のタンニンで鞣した革のことで、色付けなど他の加工は一切しない物が一般的です。
特徴としては、時間経過とともに革の銀面(表面)が飴色に変化することです。
ヌメ革ほどハッキリと銀面の色が変化する革は他にないと思います。
ゆえにファンも多い革になります。
もう一つの特徴として、ヌメ革は”皮”を”革”にするために必要な最低限の加工しかしていないので、ナチュラルな風合いを楽しめることです。
逆に言うと原皮が傷ついていたり、生きていた時に負った傷やかさぶたの後、血管の後などがごまかしにくく目立ちやすい加工方法になります。
それだけ高品質な原皮が求められるのがヌメ革なのです。
そんな高品質なヌメ革を輩出しているタンナーが栃木レザーです。
名前の通り、栃木にある会社で日本国内のヌメ革を鞣しているタンナーでは間違いなくトップクラスです。
次に私の持っているヌメ革を紹介したいのですが、栃木レザー社のヌメ革・・・ではないのですが、併せてヌメ革の手入れについても紹介しますので良かったらもうしばらくお付き合いください。
思い入れのあるヌメ革の定期入れ
画像の定期入れは私が普段使用している、ポールスミスの定期入れです。
就職して初めてのお給料で購入した思い入れのある物です。
ご覧のとおり、購入から7年以上経過しているので、ヌメ革がかなり飴色になっているのがわかると思います。(購入当初の画像がなくすみません。汗)
中を開けば色の変化がわかり易いと思います。
カードの入れる部分にあたりがつき色むらがあるのがわかります。
元々はもっと薄い色だったのですが、これが段々と濃くなっていき飴色に変化していくのです。
当時のポールスミスの財布や定期入れは虹色の意匠が共通のモチーフとなっていました。
定期のカード挿入部分は下地が紫色の生地になっており、良いアクセントになっています。
ヌメ革の手入れについて
実は手入れらしい手入れはしておりません。
というのも、定期入れや財布は毎日触る物なのでホコリが積もることも少ないですし、手の皮脂などが革に付くのでオイルを入れるほど革が乾燥することもほとんどありません。
気になった時に、カードの挿入口のあたりなどホコリや汚れが付着して残りやすい部分を布で拭き取ったりします。
あとは、数年に一回くらいに定期入れの内側の部分や折り曲げて革にストレスのかかる箇所に軽くミンクオイルを塗るくらいでしょうか。
以前に紹介したコードバンの財布などはコードバン特有の艶をより引き出すために定期的なクリームの手入れをしておりましたが、ヌメ革に限ってはほとんど何もしなくても私の定期入れのように綺麗な飴色に変化してくれます。
まとめ
ヌメ革で作られた革小物は手入れなどの手間があまりかからずにヌメ革特有の経年変化が楽しめます。
爪などで引っ掻いてしまうと傷になりますし、雨がシミとなって残りやすいなどデリケートな面もありますが、ヌメ革は以前私がこのブログで紹介したコードバンやブライドルレザー、クロムエクセルなどの革に比べて価格も手頃な物が多いため革製品を買った事がない人や学生、就職したばかりの社会人など多くの人にオススメできる革です。