レザーソールの仕上げの違いとは
革靴のソールにもいくつか種類があり、ラバーソールやレザーソール、その中間のハーフラバーソールなどが代表的なものとしてあることは以前の記事でも紹介しました。
今回はそのいくつかあるソールの中でもレザーソールについて焦点を当てて記事にしたいと思います。
レザーソールは読んで字のごとく靴底がほぼ全て革でできたソールのことを指しますが、その仕上げの方法にいくつか種類があるのはご存知でしょうか?
仕上げの違いとはずばりステッチの処理の仕方のことです。
ステッチとは靴底と靴のインソールやアッパーを繫ぎ止めるため(補助的な場合もある)に施されている部分で、そのステッチを切れないように、尚且つ見栄えも良く仕上げられているかどうか、が仕上げの違いとして現れます。
①チャネル仕上げ
チャネル仕上げとは、こちらの画像のようにステッチの部分に予め深く溝を掘ってその中にステッチが埋まるように仕上げられたソールになります。
ステッチが深く入っているほど、革底が摩耗してもステッチが切れにくくなるように配慮された加工になっています。
この深さに関しては一律ではなく物によって変わってきます。
中には下の画像のような(画像はレザーソールではありませんが)ほぼ溝のない状態でステッチされたレザーソールもあり、当然地面との摩擦が最初から発生するためステッチは切れやすくなります。
しかし上の画像のような仕上げの靴であってもステッチが切れてすぐソールが剥がれてしまうかというと、そうではありません。(特に上の画像のようにラバーソールだった場合はソール自体が摩耗しにくいため一概にステッチが切れやすいとは言えません)
ステッチが切れてきたらそろそろソールの交換目安かなといったところでしょう。
②ヒドゥン・チャネル仕上げ
ヒドゥン・チャネルとはステッチを革で隠した仕上げのことを言います。
予めレザーソールのステッチ付近を薄く切れ込みを入れ、その切れ込みの中にステッチを施し、上から革を被せてステッチの摩耗を防ぐと同時に見た目にも真っさらで綺麗なレザーソールに仕上げてあるのが特徴です。
機能性だけでなく見た目にも綺麗に仕上げている分、手間が掛かるのでチャネル仕上げに比べ高価な革靴に多く見られる仕様です。
そのためソール全面を張り替えるオールソールの際にチャネルにするかヒドゥン・チャネルにするか選択することができますが、ヒドゥン・チャネルのほうが工賃は高くなります。
上記のメリット・デメリットを天秤にかけて、レザーソールのオールソールをする際はソールの仕上げにもこだわってみてはいかがでしょうか。