ハードウェアウォレットとは
仮想通貨を安全に保管する手段の一つとしてハードウェアウォレットがあります。ハードウェアウォレットの特徴は、オフラインで仮想通貨の保管ができる点です。通常の仮想通貨取引所やソフトウェアウォレットで保管する方法は常時オンライン環境下での保管になるので、この事をホットウォレットと呼びます。
対して、ハードウェアウォレットのようにオフラインで仮想通貨を保管することをコールドウォレットと呼び、オフラインで保管することによりハッカーによる被害を受ける心配が基本的に無くなります。(PC自体にマルウェアが感染している場合、ハードウェアウォレットから他のウォレットなどへ送金する際に仮想通貨が搾取されてしまう被害があります。)
仕組みとしてはハードウェアウォレットの本体に仮想通貨の秘密鍵を暗号化して保存することで、オフラインによる仮想通貨の保管を可能にしています。
よく勘違いしてしまいがちなのは、ハードウェアウォレット本体に仮想通貨が入っているわけではありません。
例えば、金庫を開けるための鍵がハードウェアウォレットだと思って頂ければ想像しやすいかと思います。つまりハードウェアウォレット本体が鍵で金庫の本体にあたるものがPCに入っている仮想通貨の各ウォレットアプリと言えます。
ですので、仮にハードウェアウォレットが壊れてしまっても、後述する24単語からなるパスフレーズを新しく買ったハードウェアウォレットに入力すればその新しいハードウェアウォレットに秘密鍵の情報を復元することができます。(上の例えで言うと、パスフレーズがあれば合鍵が作成できるということ)
逆に言うと、パスフレーズが盗まれてしまうとハードウェアウォレット本体が盗られていなくても他所で合鍵を作られて仮想通貨を盗まれてしまう危険があるということです。なので、パスフレーズはPCなどに保存せずに紙に書き写して盗られない場所に大切に保管しましょう。
ハードウェアウォレットの購入方法
ハードウェアウォレットで現在主流なのはLedger Nano SとTREZORの二機種です。どちらも1万5千円から2万円ほどで購入することができます。尚、本記事で紹介するのは前者のLedger Nano S(レジャーナノS)です。
※上記がレジャーナノS本体です。
<注意>上記の二機種どちらを購入するにせよ絶対にアマゾンや楽天で買ってはなりません。悪意のある人がハードウェアウォレット本体に細工をしてから再包装して送ってくるケースがあるからです。
購入する際は正規代理店か、販売元から購入しましょう。ちなみにレジャーナノSはフランスの会社が販売元となっておりますので、英語で表記されたサイトから購入することになります。英語が不安な方は日本正規代理店から購入すると安心です。
下記リンクは日本正規代理店です。
下記は販売元のLedger社の公式サイトです。
レジャーナノSの初期設定方法
必要な物
・レジャーナノS本体
・PC(Windows、Macどちらも可)
・グーグルクロム(左記のウェブブラウザをインストールしておきましょう)
ステップ① レジャーナノSとPCをUSB接続
レジャーナノSとPCを接続すると、レジャーナノS本体に『Welcome』と表示され、その後『Press both buttons to begin』と表示されたらレジャーナノS本体の左右のボタンを同時に押しましょう。
ステップ② 新しいデバイスとして設定
『Configure as new device』と表示されたら、新しいデバイスとして設定しますか?という意味なので右ボタンを押して決定しましょう。(尚、元々持っていたレジャーナノSが壊れた場合で、復元したい場合はこの表示のタイミングで左ボタンを押すと復元設定ができます)
そして、『Choose a PIN code』が表示されたらレジャーナノS本体の両方のボタンを押して任意のPINコードを入力して設定しましょう。(今後レジャーナノSを接続する際に求められるのがPINコードになりますので絶対に忘れないようにしましょう。)
※左のボタンを押すと数字が下がり、右のボタンを押すと数字が上がります。そして左右同時にボタンを押すと決定になります。レジャーナノS本体で入力する際は全てこの操作方法になります。
『Confirm your PIN code』(PINコードの確認)と表示されるので左右同時にボタンを押して再度PINコードを入力ます。
ステップ③ リカバリーパスを控える(パスフレーズ)
『Write down your recovery phrase』パスフレーズを控えるように表示がされ、【Word#1 ***】というように表示が24個ランダムで出るので***にあたる部分(英単語になります)を一言一句間違いなくメモしましょう。(尚、レジャーナノS本体にはマイリカバリーパスという専用のメモ用紙が付属しているのでそちらを利用しましょう。)
※レジャーナノSは上記のPINコードとリカバリーパス(パスフレーズ)が最も重要なものとなります。簡単に推測されるようなPINコードにしたり、リカバリーパスのメモを盗まれたり失くしたりしないように細心の注意を払いましょう。(リカバリーパスを失くしてわからなくなるとレジャーナノSで保管していた仮想通貨に二度とアクセスできなくなってしまいます)
ステップ④ リカバリーパス(パスフレーズ)の確認
『Confirm yourrecovery phrase』パスフレーズの確認と出ますので左右同時押しをしましょう。
レジャーナノS本体にパスフレーズの番号が表示されるので、その番号に符合した単語を先ほどのメモを見て入力しましょう。
何回か繰り返し合っていれば、『Your device is now ready』あなたのレジャーナノSの設定が完了しました、と表示されるので、左右同時押しをすればレジャーナノS側の初期設定は完了です。
ステップ⑤ PCからレジャーナノSへアプリをダウンロード
次にレジャーナノS本体とPCをUSB接続したままPCからグーグルクロムを開き、下記のLedger社公式サイトへアクセスしてLedger Managerアプリをダウンロードします。
アクセスしたら下記の画像の手順に従ってアプリのダウンロードをしましょう。
参照元 https://www.ledgerwallet.com/
上記の手順でインストールが済むんだら、同じ要領で自身がハードウェアウォレットで保管したい仮想通貨のアプリをダウンロードしていきましょう。
ステップ⑥ レジャーナノSへアプリをダウンロード
Ledger ManagerをPCから起動しましょう。そしてまずはレジャーナノS本体のバージョンが最新か確認して、バージョンアップが必要なら【レジャーナノSのアップデート記事】を参考にバージョンアップを行いましょう。
そして、Ledger Managerアプリの画面から自身の保管したい仮想通貨を探して下の画像のようにクリックしましょう。
すると、レジャーナノS本体から『Allow ledger manager?』と表示されますので、右ボタンをクリックしましょう。
すると下記画像のように表記されるので、自身の保管したい仮想通貨でこの作業を繰り返せば設定完了となり、いつでもレジャーナノSへ仮想通貨を保管することが可能になります。
最後に
以上で、レジャーナノSとPCの初期設定は完了です。あとは先ほどダウンロードしたウォレットへ各仮想通貨を送金すれば保管することができます。後日、レジャーナノSへの仮想通貨の送金手順(保管方法)を記事にしましたので、併せて参考にして下さい。