世界一エレガントな革靴
2018年の4月にイギリスで行われた革靴(ストレートチップ)の美しさを決める大会「ワールドチャンピオンシップインシューメイキング-world championships in shoemaking-」で世界一に輝いた革靴を紹介します。
2018年度の世界1位に選ばれたのがこの靴です。
Patrick Frei-パトリックフライ氏-作
ややロングノーズで細身のシルエットの本作はとてもエレガントでクールな印象を私は持ちました。
中央の山なりになっているステッチがハート型にも見えるのが特徴的で、全体的にクールな中にも茶目っ気を覗かせているのが憎いなと思います。
また、写真では判りづらいのですが履き口の内側にも同様の山なりの意匠が施されています。
ただ格好良いだけでなく、遊び心をさり気なく入れて個性を出す。
さすがは世界一に輝いた作品だなと思いました。
パトリックフライさんの今後にも要チェックですね。
上位入賞者の作品
ここからは上位入賞者の作品も紹介します。
嬉しいことに日本人の作品も入賞されています。
では早速世界2位の方の作品です。
Daniel Wegan-ダニエルウェーガン氏- 作
こちらはかの有名なガジアーノ&ガーリング(Gaziano Girling)の職人さんの作品だそうです。
ガジアーノガーリングは2006年創業と若い革靴の工房ですが、エドワードグリーンで共に仕事をしていたトニーガジアーノ氏とディーンガーリング氏が独立して企業した工房になります。
既成靴でありながらビスポークのような仕上がりの靴はとても美しく、私も一足欲しいと憧れている靴の一つです。
そしてこちらが世界3位の靴
Philippe Atienza-フィリップアティエンザ氏-作
世界で最も有名と言っても過言ではないあの、John Lobb-ジョンロブ-のフィリップのラストを作成したのがこちらのフィリップアティエンザ氏になります。
洗練されたこのシルエットはやはり格好良いの一言に尽きます。
世界4位の革靴がこちら
島本 亘氏 作
単身イタリアに渡り深谷秀隆氏に師事された方の作品になります。
同じ日本人が世界で五本の指に入る程の評価を受けたことは、日本人として嬉しいですね。
甲高、幅広の日本人の足に合わせるとどうしてもフォルムがボテっとしてしまいがちですが、本作品にはそれを感じさせないデザインにまとめられており、とてもエレガントな革靴です。
他の上位の作品はとても格好良いのですが、日本人の私たちの足には合うか不安に感じるフォルムですが、本作品は私の想像ですが足入れのし易そうな靴に感じます。
抜群に格好よくてしかも履きやすい。是非、市販されていたら購入して履きたいと思わせる革靴です。
世界5位の作品がこちら
安藤 文也氏 作
4位、5位、7位は共に日本人の方の作品でした。
この結果からも日本人の製靴技術は世界的に評価されているんだなと実感することができます。
そして世界7位の作品がこちら
宇田川 聖紀氏 作
シューツリーは本大会の評価項目には入っていないそうですが、シューツリーにも各職人さんのこだわりや個性を感じます。
尚、6位は展示されておらず写真等の情報はありません。
まとめ
やはり世界トップ7の作品となるとそのどれもが、とてもスタイリッシュで色気のある革靴でした。
本大会は黒のストレートチップがお題だったそうですが、ストレートチップは最もフォーマルで冠婚葬祭どのような場面でも使用することのできるとてもベーシックな革靴です。
そのベーシックな革靴の一つの頂点として昇華させた革靴が本大会の作品で見ることができたのではないかと思います。
当然ながら使っている革自体もキメの細かい上質な革を使用していましたし、ポリッシュ等でしっかりとメンテナンスのされた革靴は見ているだけで気持ちの良いものです。
上位入賞者の今後の活躍にも注目したいですね。