ブロックチェーンの誕生
2008年にブロックチェーンについてまとめた論文がサトシ・ナカモト氏によって発表されました。
2009年にはブロックチェーンシステムを利用したビットコインが利用開始されました。それから2018年の現在までブロックチェーンを使ったビットコインのシステムがダウンしたことはありません。
ブロックチェーンってなんぞ?
ブロックチェーンはP2P(peer-to-peer)を使った分散型台帳技術とも言われており、ビットコインを始めとする仮想通貨が改ざんされていないことを担保している技術です。
※P2P(peer-to-peerピアツーピア)とは中央で一つのサーバーで処理を行うのではなく、分散した端末間でデータの交信をして分散管理する仕組みのこと。
ブロックチェーンの肝となっているのが公開鍵暗号方式にハッシュ関数を使っている点です。
公開鍵暗号方式とは読んで字のとおり、誰でも見ることができる暗号化された鍵です。
この鍵の元になっているのは取引データであり、そのデータをハッシュ関数を利用してハッシュ値を求めます。このハッシュ値は逆算して元のデータの値を導くことができません。そのハッシュ値をさらに暗号化したものを公開鍵として開示しています。
その公開鍵であるハッシュ値からナンスという値をコンピュータで膨大な計算をして導きます。この作業のことをプルーフオブワーク(POW)と呼びます。
その取引データとハッシュ値とナンス値を3点セットにしてブロックとしてまとめた物を10分に一度生成します。
そのブロックはそれぞれ鎖のように繋がっており、そのひとつひとつのブロックは必ず一つ前のハッシュ値と整合性がとられている必要があります。そのブロック同士を延々と繋げて長い鎖のようにしていくので、ブロックチェーンと呼ばれているのです。
51パーセント攻撃
上記のように、ブロック同士が延々と一つの長い鎖のように繋がっていくのですが、仮に悪意のある端末(マイナー等)がわざと自分に有利なデータに改ざんした値を元にしたハッシュ値を求めたとしても、他の大多数の端末(マイナー)が同じハッシュ値を求めない限りは尻切れになり後に続かない分岐したブロックはなかったものとして終わってしまいます。
逆に言うとブロックチェーンでは常に一番長いブロック(歴史の長い)ものが正しい値として扱われるため、仮に51パーセント以上の端末(マイナー)が連携して同時に改ざんしたほうの値でハッシュ値とナンスを求めた場合、本来正しいほうのブロックが少数になり不正な改ざんした値のほうが一番長いブロックとなり改ざんが成立してしまうことになります。
現状では世界中のマイナーが上述のハッシュ値からナンスを求める作業(プルーフオブワーク)を行なっているため、一斉に51パーセント以上のマイナーが連携して改ざんしたブロックを生成するのは現状ではほぼ不可能と言われています。
しかし、P2Pとプルーフオブワークによって支えられたブロックチェーン技術はこうした改ざんの可能性を孕んでいる事を知っておく事は重要だと僕は思います。
なぜなら、以前の記事にも書いたようにビットコインを始めとする仮想通貨を僕が手放すとしたら、ビットコインやイーサリアムなどの主要仮想通貨のブロックチェーンが改ざんされた時であるからです。それだけ仮想通貨の信用を担保するブロックチェーンは仮想通貨の心臓部とも呼べる大事な基幹技術なのです。
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