現代のAI(人工知能)技術
この頃、流行りのAI(人工知能)ですが、『汎用人工知能』と『特化型人工知能』の二つに大きく分けることができるのはご存知でしょうか。
『汎用人工知能』とは映画でよく見る人間と会話ができたり、感情を持っている、というような人間と遜色なく(もしくはそれ以上に)何でもできるAIです。
AIに感情を持たせたり自立思考を持たせることは現代の技術でも難しいと言われており、実現には早くても2030年代以降になるだろうと言われております。
対して『特化型人工知能』は今の私たちに最も馴染み深く2010年代に入ってから目覚ましい進歩を遂げています。特化型人工知能とは、SiriやGoogle Homeやルンバといった何かに特化した機能を持つAIです。
ご存知の通りSiriはiPhoneやMACを動かすのに特化したAIですし、Google Homeは家庭内の家電製品やネットとリンクすることで生活をサポートするのに特化しておりますし、ルンバは部屋の構造を学習して自動で掃除する機能に特化しています。
本記事では、上記の『特化型人工知能』が投資の世界に与える影響について書きたいと思います。
AIが株を売買
すでに、人間を介さずにAIが自ら分析・学習して売買の判断をすることが実現されています。
代表的なのはWealthNavi(ウェルスナビ)のようなロボアドバイザーサービスです。
このサービスはお金を入金すれば後は自動でAIが世界の株式に分散投資してくれるというサービスです。景気の情勢に合わせてリバランスも行ってくれるので、利用者は何も考えずにお金を入れて放っておくだけでOKというシステムになります。
また、人間が運用する従来のシステムと違い人件費がかかりませんので、手数料が安いのも特徴です。
投資信託の世界でも上記のようにAIが売買の判断をして運用している商品があります。
AIを用いた投資商品は人件費が掛からないので手数料が安く、人間のような感情が入らないので銘柄に思い入れを抱くこともありません。
AIはあくまで膨大な数字だけを淡々と追って、ある水準に達したら売りや買いを入れるだけです。このような金融(株式等)とITの融合で誕生する新たなサービスや仕組みのことをFintech(フィンテック)と呼びます。
今後考えられるAIの弊害
2018年の2月にアメリカのNYダウが大暴落を起こしたのは記憶に新しいと思います。この直前に発表された米国雇用統計の中身は雇用増を示しており、引き続き好景気が続くと予想するのが普通です。
しかし、好景気続きで雇用も増えたタイミングでそろそろ『利上げ』が始まり、債権の利息が上がることで債権に人気が集まり株安になるのでは?という警戒感から売りが入り株価が下落していきました。
通常は警戒感からの売りで大暴落は考えにくいのですが、この時は1日で日本円にして12万円近くもダウ平均が下落し過去最大の下げ幅を記録しました。
雇用統計の結果は良く、利上げに関しても正式な発表がされたわけでもなく、あくまで警戒感からというだけで過去最大の大暴落を起こしたことはインパクトの大きい大事件だったと言えます。
その大暴落の背景にはAIが影響していると言われています。NYダウが下落基調になり、ある一定の価格を下回ったところでAIが一斉に売り始めそれが連鎖したことで今回のような過去最大の大暴落が起こったという理屈です。
本当にそれが原因だったのか僕が調べた限りでは正確な情報がなく、あくまで推測の範囲のようですが今回のようなAIによる、ある種の狼狽売りの連鎖が今後もあり得るのではないかと思います。
AI技術は日進月歩で向上しており、自ら学習して賢くなることができるようになりつつあります。今後、AI技術が世界経済や産業に大きな影響を与えていくのはほぼ間違いないでしょう。
最後に僕がAIについて勉強になった本を下記にリンクをつけましたので、興味のある方はご参考までにどうぞ。